第1 目的

  我が国の自動車保有台数は、平成2712月末現在で8,100万台を超えており、自動車が国民生活にとって欠かすことのできない移動・輸送手段となっている。一方、昨年の交通事故による負傷者数は67万人と11年連続で減少しているものの、死者数は4,117人と15年ぶりに増加に転じており、依然として厳しい状況が続いている。
 また、我が国の大気環境については、近年環境基準の達成状況に改善傾向がみられるものの、二酸化窒素(NO2)及び浮遊粒子状物質(SPM)の環境基準が達成されていない地域が依然として残っている状況にある。
 さらに、自動車交通騒音に係る環境基準達成状況についても、近年、全体としては緩やかな改善傾向であるものの、新幹線道路に近接する空間においては改善すべき余地が依然として大きく、未だ苦情も寄せられてい要る状況にある。
 このような状況の中、暴走行為、過積載等を目的とした不正改造車については、安全を脅かし道路交通の秩序を乱すとともに、排出ガスによる大気汚染、騒音等の環境悪化の要因となっていることから、社会的にもその排除が強く求められている。
 また、最近では、部品の取付けや取外しによって保安基準に適合しなくなっても、違法であるとの認識のないままに改造を行っている使用者も見受けられる。
 このため、「不正改造車を排除する運動」を全国的に展開することにより、不正改造についての認知度を高め、車両の安全確保・環境保全を図ることにより、国民の安全・安心の確保を確実に実現する。

第2 実施機関

 国土交通省及び自動車関係32団体で構成する「不正改造防止推進協議会」(以下「協議会」という。)が中心となって、内閣府、警察庁、農林水産省、経済産業省及び環境省の後援並びに自動車検査独立行政法人、軽自動車検査協会の協力のもとに本運動を実施する。

第3 実施期間

「不正改造車を排除する運動」は、年間を通じた運動とするが、平成27年6月1日(月)から6月30日(火)までの1ヶ月間を「不正改造車排除強化月間」(以下「強化月間」という。)とし、特に重点をおいて運動を実施する。

第4 実施事項

重点排除項目
 
次に掲げる不正改造等の事例の排除に重点をおいて「不正改造車を排除する運動」を実施するものとする。
 また、自動車使用者へのアンケート結果等を踏まえ、不正改造に対する認知度が低く、使用者が違法であると認識せずに不正改造を行っているおそれのある(1)、(2)、(3)、(4)及び(7)については、年間を通じ、広報等において特に重点的に啓発に努めるものとする。一方、(5)については不正改造に対する認知度は高いが、社会的な排除の要請が大きいことから、これまで、強化月間に行う街頭検査等において重点的に排除に努めてきているところであるが、整備命令の発令件数が減少していない街頭検査の結果を踏まえ、今年度は、これまでの取組み以上に、年間を通じた街頭検査や広報等において積極的な排除を呼びかけていく。

 

(1)

視認性、被視認性の低下を招く窓ガラスへの着色フィルム等の貼付

(2)

前面ガラスへの装飾板の装着

 

(3)

灯光の色が不適切な灯火器及び回転灯等の取付け

4)

タイヤ及びホイール(回転部分)の車体外へのはみ出し

 

(5)

騒音の増大を招くマフラーの切断・取外し及び騒音低減機構を容易に取り外せる等の基準不適合マフラーの装着

(6)

土砂等を運搬するダンプ車の荷台さし枠の取付け及びリアバンパ(突入防止装置)の切断・取外し

(7

基準外のウイング(エア・スポイラ)の取付け

 

不正な二次架装

大型貨物自動車の速度抑制装置の取外し、解除又は不正な改造、変更等

 

10

ディーゼル黒煙を悪化させる燃料噴射ポンプの封印の取外し

11

不正軽油燃料の使用

重点実施事項

 

(1)

自動車使用者への啓発
 
年間を通じ、重点排除項目にあるような具体的な事例を紹介し、自動車使用者の不正改造等に関する認識の向上を図るとともに、積極的な排除を呼びかける。この際、1.(1)、(2)、(3)、(4)及び(7)について、特に重点的に認識の向上に努めるものとし、1.(5)については、特に積極的な排除を呼びかけていくこととする。加えて、自動車運転教習所においては関係者の緊密な連携の下、ポスターの掲示等により、10代、20代の教習生を中心に強力に啓発活動を展開する。
 また、強化月間においては、マスメディア等をあわせて活用しつつ、自動車使用者(特に10代、20代)に対し重点的かつ直接的に啓発活動を行う。

(2)

街頭検査の実施
 
警察等関係機関の協力を得ながら街頭検査を実施する。その際には、原動機付自転車も対象とし、不正改造をしていた場合には警告書を交付するとともに、改修結果の報告を求める。
 また、強化月間においては、1.(5)の排除に特に重点を置いた街頭検査を実施するものとする。
 

 

(3)

構内検査の実施
 申請や変更登録等のために運輸支局(兵庫陸運部及び沖縄総合事務局陸運事務所を含む。以下同じ。)及び自動車検査登録事務所(沖縄総合事務局運輸事務所を含む。以下同じ。)へ来所した車両について、特に強化月間に重点をおいて検査を行い、不正改造をしていた場合には整備命令書の交付等を行う。

 

(4)

迷惑改造車・迷惑黒鉛相談窓口(不正改造車・黒煙110番)の設置・情報収集の充実
 
年間を通じ、各地方運輸局、沖縄総合事務局及び運輸支局に迷惑改造車・迷惑黒煙相談窓口(以下「不正改造車・黒煙110番」という。)を設置し、ウェブ上からも関係サイトからリンクを貼る等により、不正改造車及び黒煙に関する相談に応じるとともに、不正改造車及び黒煙に関する情報を収集する。また、ポスター等の広報資料において、警告ハガキを送付し、不正改造車を排除していくために必要な情報をわかりやすく掲載し、積極的な情報提供を呼びかけるとともに、不正改造車の追跡率向上に努める。さらに、強化月間においては、不正改造車・黒煙110番の認知度向上のための広報活動をする。

 

(5)

自動車使用者に対し警告ハガキを送付
  年間を通じ、不正改造車・黒煙110番に寄せられた相談・情報(以下「情報等」という。)を基に不正改造車(疑わしい車両を含む。)の使用者に対して警告ハガキを送付し、不正改造部分の改修を促すとともに、改修結果等の報告を求める。また、黒煙に関して通報があった自動車使用者に対し、ハガキを送付することにより自主点検の指導を行う。

 

(6)

アンケート調査の実施
  強化月間に実施するイベント等の機会をとらえ、自動車使用者等に対し、不正改造等の認識に関するアンケート調査を実施する。

 

(7)

不正改造等に対する報告徴収及び立入検査
 
年間を通じ、不正改造等を行った者に対する報告徴収及び立入検査権限の規定を有効に活用し、不正な二次架装の抑止・早期発見及び架装メーカー、販売会社、自動車使用者に対する指導等を行う。
 また、街頭検査における情報、不正改造車・黒煙110番に寄せられた情報等、警告ハガキの報告内容等を活用することにより、必要に応じて不正改造施工者に対する報告徴収及び立入検査を行う。

(8)

整備事業者等による適正な整備・改造の推進
  整備事業者等においては、自動車使用者等に対し、不正改造事例の紹介及び自動車部品・用品等の適切な取付方法等の周知を図るとともに、不正改造となるような整備・改造の依頼を受けないようにする等により、適正な整備・改造の推進を図る。
 また強化月間においては、整備工場に入庫したディーゼル車の使用者に点検指導を行うとともに燃料噴射ポンプの封印チェック等を行う。
 加えて、自動車整備士養成施設においては関係者の緊密な連携の下、ポスターの掲示や運輸支局の出前講座等により、10代、20代の生徒を中心に強力に啓発活動を展開する。

第5 実施運営

自動車局は、本実施要領に基づき、各地方運輸局及び沖縄総合事務局に対して本運動の実施等について指示するほか、協議会構成団体に対して本運動の目的、実施事項等を通知する。

各地方運輸局及び沖縄総合事務局は、各地方の実情を勘案して実施細目を定め、協議会構成団体の地方組織及び関係者に対して本運動の実施事項等について通知するとともに、本運動を積極的に推進する。

第6 報告

 

各地方運輸局、沖縄総合事務局及び協議会構成団体は、速やかに実施結果を取りまとめ、自動車局に報告する。

不正改造車を排除する運動

平成27年度「不正改造車を排除する運動」について

青森運輸支局では

  「迷惑改造車相談窓口 (不改造車 110番)」 を設置しております。
 不正改造車に関する情報や改造車に関する相談を受け付けしております
 ので、お気軽にご利用下さい。

  ※ 連絡先 青森運輸支局検査整備部門 TEL 017-739-1506まで